0783相談室「院長の奥様」
“院長の奥様とうまくいかない”
院長の奥様が時折医院にお手伝いに来られているそうです。
これも全国共通によく聞くお話ですが、奥様自身も良かれと思って行動されています。
スタッフもその事は理解しているのですが、そもそも立場の違う話ですから、残念ながら噛み合わない問題が出てきているようです。
院長とスタッフは毎日同じ目標に向かい、患者さんとの関係も含め、共感するところが多くあります。しかし、
“患者さんの治療を共にしていない
=もっというなら毎日苦楽を共にしていない人
=共感をなかなか得られない奥様” からは、上から言われてるような気がするのでしょう。
実は話の内容よりも、その“言い方”に対して、反感を持っている&大げさに被害者意識を持っている(=ムカついている)、そんな気がします。
できればそこに、架け橋となってお互いを理解し合える環境作りをしてくれる人がいてくれたら安心ですが、なかなかそうはいきません。

奥様もスタッフに対して一生懸命伝えようと、頑張る気持ち100%でも、その伝え方を誰かが教えてくれるわけでもなく、度ごとに生まれて初めての状況と感情をどのようにすればいいのか、答えのない手探りの状況でしょう。
自分なりに考えたり行動したりしても何故かスタッフの反感を買ってしまっては、結局何にもならないのです。
何もしないほうが、嫌われなくていいですよね。
もともと、「嫌われないように」「悪く思って欲しくない」からの行動はゴマをすることになってしまい、距離を置かれてしまうことになりがち。
その逆に、患者さんのことを思いすぎて、叱ったり、注意したりすると、現実がわかっていないと冷たくあしらわれたり、残念な結果になることもしばしば。
ただ結婚しただけなのに、いつの間にか経営者の妻になってしまったのです。
お悩みも尽きぬことでしょう。
そんな一生懸命やってくれる「妻」に対して、院長だって「言いにくい」こともおありでしょう。
ではこんな状況を理解した上で、院長はどのような手段をとればいいのでしょう。

奥様との約束を作りましょう
いつ来るのか?どこまで責任があるのか?誰に言うのか?
もちろん、医院の状況もきちんとお知らせしましょう。
様々な問題は感情から生まれますので、明確に文字にしてください。
全ての責任者は院長ですので、院長が知らなかったことにならないように。
約束(ルール)を見える化しましょう
連絡ノートや、チェックシート、日報でも、情報の共有は絶対です。
奥様とスタッフ側で、「知らなかった」「聞いてなかった」ことにならないように。
チームの一員であることの自覚が必要です。
奥様担当を作りましょう
奥様も誰に言って良いのかわかりません。
度ごとに言いやすい人に言っていては、全員に共有されない場合もありますし、受ける側も感情的になってしまっては、話がもつれる可能性が大きくなります。
連絡係のような軽い感じでいいと思います。
重荷にさせないような工夫をお願いします。
毎月の検証をしましょう
問題は毎日起きていて、状況に応じて対策も変化して行きます。
前月から継続させること、
もしくは進化させていかねばならないことが多くあることでしょう。
「反省」も含めて、検証は絶対です。
奥様も医院の一員です。
“奥様の仕事”のポジションをしっかり作ってあげてください。
お互いが良かれと思っての行動が、裏目に出てはどちらも被害者です。
これらのことをできるのは、院長しかいません。
スタッフが増えれば増えるほど、平等にルールやマニュアルを作ることは重要です。
奥様へも同様に、面倒なことになる前に、線引きをしてください。
さらに要注意。
奥様のことで、一番、院長が感情的にならないように、お願いしますね。
家庭の延長で、感情を医院に持ち込んでもらっては困るのです。
奥様に対しても、一線おいて、スタッフと同様に冷静にことばを選んでくださいませね。
結局のところ、そのほうが、全てがスムーズに進んで行くことでしょう。
「仕事」は「冷静」に。「感情」は入りません。