勤務医同士の仲が悪い?見るべきものは?
院長お悩み相談室より
男性と女性の勤務医がいます。この二人の仲が、あまりよろしくないのです。
何をするにも、情報がストレートに伝わらず、どこかで歪んでしまっているようです。
しかも、お互いに相手のことをあまりよく言わない。
そうなると院長としては、
「いったい、どちらを信じたらいいの?」
「どういう付き合い方をしたらいいの?」
と、悩んでしまいます。
でも、ここで一つ注意していただきたいことがあります。
「仲が悪い」と決めつけるのは、ちょっと待ってください。
もしかすると……
院長の目が、勝手に歪んでいるのかもしれません。
人から聞いた話、人から聞いた話……と伝わっていくうちに、いつの間にか「事実」のようになっていることがあります。
「○○先生は、こう言っていました」
「△△先生は、あの人のことをこう思っています」
そんな話を聞き続けていると、院長自身も知らないうちに、二人を色眼鏡で見てしまうことがあります。
まずは感情を少し横に置いて、見るところを変えてみましょう。
仕事に、仲がいいとか悪いとかは、本来関係ありません。
大切なのは、
① 患者さんに対して、どうなのか?
② 治療に関して、どうなのか?
③ 医院の方針に対して、どうなのか?
④ 事実に基づいて行動しているのか?
ここです。
「人間関係」ではなく「仕事」を見る。
二人が仲良くおしゃべりしているか。一緒に食事に行っているか。
お互いのことを好きか嫌いか。そんなことを基準に評価する必要はありません。
むしろ、院長がそこに入り込みすぎると、余計にややこしくなることがあります。
大事な情報は、二人が一緒にいる場で伝える。
そして、
「これはこういう方針でお願いします」
「この件については、二人から報告をください」
と、同じ情報を同じ条件で共有する。
それぞれから聞いた話が違うなら、感情的にならず、事実を確認する。
必要であれば、実際の仕事の場面を見たり、報告の仕組みをつくったりして、
判断材料をこちらから仕掛けていくことも必要です。
「言った」「言わない」に、院長が振り回されないためです。
二人を「平等」に評価するということ。
ここも大切です。
ただし、平等とは、
二人を同じように扱うことではありません。
人にはそれぞれ個性があります。
得意なことも、苦手なことも、仕事の進め方も違います。
その違いを踏まえたうえで、それぞれに必要なことを伝え、同じように仕事の結果を見ていく。それが本当の意味での平等だと思います。
そして、もう一つ。
「先読み」をしておくことも大切です。
「こういうことにならないように、ここは二人で確認しておいてくださいね」
「もし、こうなった場合は、この方法で対応しましょう」
「こんなふうになってもらっては困りますからね」
と、あらかじめ二人の前で伝えておく。
そうしておけば、後になって
「私はそう聞いていない」
「そんなこと言われていません」
という話になったときにも、院長が二人の言い分だけで右往左往することが少なくなります。
仲がいいに越したことはありません。
もちろん、仲が悪いより、仲がいいほうが仕事はしやすいでしょう。
でも、
仲がいいこと=良い仕事でもありません。
反対に、
仲が悪いこと=悪い仕事でもありません。
仲が良くても、仕事上の問題がある人はいます。
逆に、あまり仲が良くなくても、仕事はきちんとする人もいます。
だからこそ、院長には、
「私は、人間関係ではなく仕事を見ます」
という、ぶれない軸が必要なのです。
特に、スタッフ同士の「仲良しグループ」には要注意。
昨日まで仲良しだった二人が、何かをきっかけに急に……なんてことも、医院では珍しくありません。
院長にとって大切なのは、誰と誰が仲良しなのかではなく、
患者さんにどう向き合っているか。医院の方針に沿って仕事をしているか。
結果として医院にどんな力をもたらしているか。
そこを、冷静に見ていくことです。
「仲が悪い」ということ自体が問題なのではありません。
仲が悪いことで、具体的にどんな仕事上の問題が起きているのか。
もしそこに問題があるのであれば、その「具体的な事実」をご相談ください。
人間関係の好き嫌いではなく、一緒に整理していきましょう。

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